☆三つ星☆
「もう。そんなこと言っても何にも出ないんだからね。」


と言いながらも、早苗の頬はほんのり赤い。

佐藤は笑いながら、

「こんなのどうかな?」

と綿素材のわりときっちりとした紺色のPコートを手にとる。

「それ割と迷ったんだよね。」

でも、私はやっぱりこれかなっ。と取り出したそれは、

ベロア素材のチャコールのテーラードジャケットだ。

「秋から冬にかけてピッタリじゃない?」
と、既に買う気満々である。

あとはスカート…と言いながら、また物色を始める早苗に対し、佐藤は若干に苦笑いを浮かべつつも、やはり真剣にスカートを見る。
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