☆三つ星☆
ティッシュの音がする。

瞼を開く。

そこには、いつもと変わらない佐藤の優しい顔がある。

でも…これからの瞬間が早苗は一番嫌いだった。

佐藤は、早苗を見ているはずなのに、心ここにあらずといった感じだった。

ずっと遠くを見つめているようだった。
 
だから繋がっている間は瞼を開くことが出来なかったのだ。

見つめている佐藤の瞳が、見つめられている筈の早苗の瞳ではなく、別のものを見ているから。
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