☆三つ星☆
そして、納得する。

テディベアは早苗にとっては、親代わりなのだ。

寂しくて泣いている私をいつも慰め、温かく見守ってくれる。

何があっても傍にいてくれて、私を愛してくれる存在なのだ。

私だけを見てくれる。

私が求めているもの、そのものだった。

ゆっくり瞼を開ける。

二人の握った手は(正確には一匹と一人なのだが)とても自然で、全く違和感なんてなかった。

まるで夢みたいだ。と早苗は思った。テディベアと繋いだ手はとても温かく、そして力強かった。

守られているかのように包み込まれる雰囲気。その優しさに早苗は安心しきっていた。

嬉しくて、嬉しくてたまらなかったのだ。

ずっと続けばいいのに。と早苗は思った。もう私は一人じゃないんだって思った。

初めて会ったはずなのに、ずっと前から一緒にいるかのような錯覚に陥る。

< 61 / 114 >

この作品をシェア

pagetop