☆三つ星☆
でも、幕切れはあっけなかった。

とあるブースの前で突如として立ち止まったテディベアは繋いだ手を放しポンと早苗の両の肩を叩いた後、親指を突き立ててブースを指さし、すたすた先を歩いてしまったのだ。

私を裏切ったテディベアは、少し歩くと、こちらを振り返り大きく手を振ってバイバイをした。

なんだったんだろう…寂しさとか孤独とかを感じた。

さきほどまでの気分の高揚がまるで虚像であるかのように、いつもの寂しさを感じた。

気を取り直して、仕方なくそのブースを覗いた。

どうやら文芸部のブースらしく、自主制作らしい本や色紙なんかがおかれていた。
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