☆三つ星☆
「怒ってるって思うの?」


彼に尋ねてみる。

いや、顔を背けられたし。と彼は苦笑いする。

「怒ってないよ。確かにブースに連れて行くことが目的だったんだろうけど、すっごく楽しかったし、ちょっと嬉しかったし。」

これは早苗の本心だった。

彼は心底安心したかのような表情を浮かべ、わざとらしく胸に手をつけてホッとため息をついた。

「よかった。この前会った時も今回も何か不機嫌そうだったし。」
と、ニコッと笑う。

笑顔の似合う人だなぁって思う。

こうやって自然に笑えるのって素敵だなぁと。

早苗は自分自身も、こうありたいなぁと思った。

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