+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
段々近づいてくる足音は、私の前で止まった。
「貴方は……?」
綺麗な銀髪が、風でサラサラと揺れる。
普通に口が動いた。
この人に恐怖すら感じるのに。
「リュオ……だ」
その名前を聞いた瞬間。
私はまるでグワリと地面が揺れたのかと錯覚するほどの、全身の血の“騒めき”を感じた。
胸が高鳴った訳ではない。
ただ、騒いだ。
ナンダコレ?
私の“血”が、リュオさんに反応してる?
……まぁ、そんなわけ、ないよね。