+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
月光、そして銀髪
しばらく無言でただ見つめあうだけの時間が過ぎた。
またしばらくして何を思ったのか、リュオさんはその白くて細長い綺麗な指で、撫でた。
……私の首筋、を。
──────ツ……
氷みたいに冷たい指の温もりに、思わず息が詰まる。
「……リュ、オさん?」
リュオさんの指は首筋に添えられているのに、彼の目線は私の手の甲に向けられている。
そんな彼にチグハグな違和感を感じたが、深く考えることはまた何故だかできなかった。
「……ライチェルの姫君、か」
……ライチェル…?