+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
「……っリュオさん!」
首筋を上下に移動する指先。
冷たい指先は私の拒絶する力を、ヒンヤリと抑えこむ。
拒絶の行動が起こせないかわりに、恐怖の感情が頭のなかで暴れまわっていた。
だって首筋って、人の急所だよ!
そんなところ会って間もない人に撫でられたら怖いでしょ!
「……なんだ、怖いのか?」
文面だけみると高圧的に感じる言葉なのだが、その声はふわりと優しくて、暴れる頭のなかさえも抑えこんだ。
なのに、リュオさんが妖しい笑顔を見せたことで、また私のなかは暴れだした。