+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
怖いって、当たり前でしょ、意地悪ッ。
私がキッと睨んでも、妖しく笑ったままのリュオさん。
その笑顔はまるで……
「……悪魔だっ」
私はボソッと言ったつもりだが、リュオさんに聞こえたらしい。
「悪魔……か。」
クツクツと喉で笑うリュオさん。
「勘違いするな。俺は……そうだな、人間が考える生き物で例えるなら、ヴァンパイアだ」
そういって、尖った鋭い歯を見せた。
……ヴァンパイア……?
ヴァンパイアって、あの?
そんな、ファンタジーなこと信じらんない。
っていうか、有り得る訳がない。
「……ヴァ、ンパイア?」
とぎれとぎれの言葉しかでない。
「あぁ」
また、妖しく、優しく、笑う。
リュオさんは私を見つめて、喋りながら、首筋に唇をおとした。
「ちょっ、リュオさん」
首筋に、チクリと2つ小さな痛みが奔った。
牙だ。
リュオさんは、あたしの首筋に触れるだけでそれ以上動かない。
リュオさんのその行動は“いつでもこの首筋に牙をたてられるぞ”と、遠回しにあたしに告げているようで、怖い。
本当にヴァンパイア……なのか……?