+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
すっかり潤って顔と鼻の痛みがひいた。
私は、部屋に戻ってもつまらないので、じっくりとお風呂を見ることにした。
少し開いたドアから見えたのは、バスルーム。
バスルームに入ると、蛇のようにクネッ、となったシャワーと、大きな浴槽があった。
シャンプーの甘い香りが辺りに漂っている。
チラッと浴槽を覗いてみると、一輪の薔薇が取り残されるように落ちていた。
「薔……薇……」
真紅のようで、切ないピンクにも見えるその薔薇は、
私に昨日の恐怖を思い出させた。