+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
俺はテーブルに白いテーブルクロスをかけて、その上に料理を乗せた。
「水樹様、どうぞ」
すると、水樹様は少し嫌そうな顔をした。
「どうかなさいました?」
俺は水樹様の方に体をむけた。
風で髪が揺れるのがわかる。
「敬語じゃなくていいです」
照れくさそうに、水樹様は俯いた。
「水樹……とお呼びしても、よろ――――」
「敬語なし!」
そういって笑う水樹は、母親の魅花にそっくりだった。