+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
私はリュオさんにお礼を言おうとしたけど、口を閉ざした。
「救っていただいたことにはお礼を言います……けど。」
その先が言えずに、肩が少し震える。
「……怖い、か?」
リュオさんは私の首筋に手を伸ばした。
先程、牙があてられていた場所。
長く、冷たい指に触れられ、私の体がビクッと跳ねた。
「……怖い、です」
私の言葉に、リュオさんが目を細めた。
「そうか。ならやめる」
その言葉に、あたしは頬が緩むのをおさえられなかった。
やっぱり、優しいひと?