+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
「まぁ……言っておくが、俺はヴァンパイアだが血を吸って生きているわけではない。」
「え。じゃあ…」
「からかっただけだ。」
「え゛。」
……安心したせいか、自然とまた流れる涙。
もうこれ以上、弱さから流れる涙なんてリュオさんに見せたくなくて、両手で隠した。
「俺の、瞳を……見ろ」
そんな私を包むような声でリュオさんは耳元で囁く。
「……ぇ?」
私は素直に顔を隠していた両手を離して、リュオさんの真紅の瞳を見つめた。
リュオさんの紅い瞳が、今はなぜか優しい緑にみえる。
「…………」
リュオさんは黙って私を見つめる。
何故かわからないけど、周りにグリーンの光が溢れてる。
その光を見ていると、私の心はポカポカと癒えていった。