+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
出逢い
街は、近づくクリスマスの足音に、賑わっていた。
そんな街の様子とは全く違う、私とお母さんを包む空気。
「水樹……、っごめんね。水樹……」
お母さんは、ひたすら謝っている。
私の名前を何回も呼んで、謝るお母さん。
私といえば、なぜだか喋ろうとしても声がでない。
なんでお母さんは謝っているの?
なんで私の声がでなくなっているの?
なんで、なんで?
私の声が出る前に、お母さんは私を置いて、そのまま走っていった。
あぁ、私、捨てられたの?
ひたすら冷静になろうとして考えてみるけど、自分の身におこったことが、いまいちわからなかった。
ただ、わかったのは
孤独と、寒さだけ。