+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
────ボフッ
「ふがっ」
ぼんやりとリュオさんを見ていたら、いきなりなにかフワフワしたものが顔にかけられた。
……我ながら変な声でた、恥ずかし。
「?」
よく見ると、それはかけ布団。
……あ、リュオさんが私の顔にかけ布団直撃させたのね!
ひどい!
「さっきはすまない。からかったとはいえ怖かっただろ」
私が何を思っているのか気づいていないのか、優しい声でそう言ったリュオさんは、布団の上からポン、ポンと優しく慰めてくれた。
……なん、なの?
リュオさんって、いきなり牙で脅したり、人の顔に布団ぶつける酷い人なのに、
酷い人……なのに。
死にかけの私を拾ってくれたり、優しく頭を撫でてくれたり、魔法で慰めてくれたり。
どれが本当のリュオさんなんだろ。
やっぱりホントは優しいのかな?
……私はこの思いをすぐに撤回することになる。