+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
灰色
「……様、水樹様……朝でございます」
肩が優しく揺すられる感覚と同時に、耳元で綺麗な声が響く。
ちょっとくすぐったく感じるその声は、昨日の夜に少しだけ聞いたシャオランさんの声だった。
「シャオ……ランさん?
ふあー、おはようございます」
間抜けな声で、朝の挨拶をシャオランさんに告げる。
しかも瞼が半開き状態で。
今の私の顔は……乙女とは思えないくらいいつも以上に不細工だと思う。
ふわぁ、ともうひとつ欠伸をしつつそんなことを考えて一人落ち込む。まあ、不細工はいまに始まったことじゃない、うん。
「ごめんなさい、シャオランさん。いま起きますね、」
そばで待っているシャオランさんを見て、慌てて私はベットから降りようとしたが、
その時の私はまだ寝ぼけていたらしく、ベットのシーツに足を引っ掻けて無様に落ちた。
しかも頭から。
「あー……れまー……?」
本来なら、スッゴく痛いはずなのだが……
「痛……くない?」
強くつぶっていた瞼を開けると、
「……っう、う、浮いてる!?」