+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
敗北
ドサッ――――。
水樹が床に倒れた。
フン、と鼻をならしてネウロは漆黒の翼を広げ、ゆっくり飛んだ。
それと同時に、ネウロの鋭く伸びた爪が水樹の体から抜けた。
酷い。
水樹を見ると、顔に一筋の涙がこぼれ堕ちていた。
すぐにシャオランが水樹を抱き上げてリュオの横に寝かせ、治療を始めた。
リュオの傷は、肩から腹部までの深い切り傷だったが、
シャオランのお陰で傷がふさぎかけている。
だが、流石のリュオも、治りかけといえどもあの傷では闘えない。