+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
絶望に満ちたまま、俺はシャオランが治療している方へ歩きだした。
リュオの傷は綺麗に治っていて、傷痕も見当たらない。
「大丈夫か?」
俺は寝転んでいるリュオを、見下ろす形で、みつめた。
「あぁ」
向こうをむいていて表情はわからないが、
プライドの高いリュオだ、きっと凄く悔しそうな表情を浮かべているはず。
「そうか、ならよかった」
あまり深く問わず、俺はリュオから視線をそらした。
次に視界に入ったのは、血溜りに倒れている水樹と、治療しているシャオラン。