+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
「お食事中失礼します水樹様。
本をお持ち致しましたので、よろしかったらお暇なときにでもお読みください」
礼儀など気にせず、ガツガツ食べてる私の目の前に、シャオランさんが、一冊の本を差しだした。
表紙に書かれていた文字──題名は──〝魔法辞典〟。
「これ、なんで私に?」
私はヴァンパイアじゃなくて、普通の人間だから魔法は使えない。
「水樹様も使えるかもしれませんから」
────え?
「それは、どういう……」
「────秘密、です。」
「えっ!?」
「冗談ですよ。水樹様は私が思うに、魔力が強いようなので。」
魔力……?
〝食べ終わったらお呼びください〟
そういって、シャオランさんは、部屋から出ていった。