+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
魔法を使う時はどうするんだろう?
気になって、調べてみた。
「魔法の使い方」
〝【魔法の使い方】:それは魔法の種類によって異なる。
主なものは口上による発動だが、
魔力が強い者は、
念じるだけで発動することができる。
大きな魔法などは、魔方陣や特別な生け贄・服装・力・呪文が必要な場合もある。〟
「うぉー」
結構難しいな。
人間にでもできるような魔法があったら、面白そう。調べてみようかな。
好奇心から調べようとした、その時──。
─────…………パラパラ、パタン。
勝手にページが捲れたかと思うと、そのままパタンと閉じてしまった。
「……ん。どゆこと?」
“──本が持ち主の魔力を感じたからじゃ”
脳に直接語りかけてくるような、低い声。
「誰……?」
“本を見てみい”
私は空中にさ迷わせていた視線を、手元の閉じている魔法辞典に戻した。
「……うわっ。」
「うわ、とはなんじゃ。失礼な奴め」