+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
「いいか、お主の攻撃は強かったが、儂に簡単に方向を変えられた。」
レオンを避けるように見えたのは、レオンがわざと反らしたんだ。
――――凄い。
私はレオンを見つめた。
「お前にはこれから、儂と異空間に入って、安定と調整の仕方を練習するぞ」
い、異空間!?
「ちょ、なんで? なんで異空間!?」
「はぁ、そんなことも分からんのか」
「すいませんね」
さっきまで、この猫を凄いって思ったなんて、自分が信じらんない。
「この部屋で練習すると、お前の攻撃は強いから、どんどん破壊してしまう」
あ、今ちょっぴり褒めてくれた?
だって、強いって言ってくれたもん。
私はさりげなく褒められたのが嬉しくてたまらなかった。
だが、
「癒しの魔法が使えないお前が壊したものを、儂が次々と直していったら、儂が疲れてしまう」
やっぱりムカつく。
「だから、異空間にいくのじゃ!」
レオンは前の右足を上げた。
ホンッット、黙ってたら可愛いのに。