+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
レオンの視線は数秒間、宙を舞った後、私を捕えた。
「み、ずき……んで」
「え、何、何て言ったの?」
私は耳をレオンの口元に近づけた。
「シャオランを……呼んで」
……なんでシャオランさん……?
私じゃ駄目なの……?
その考えを振り切るように私は首を振った。
「今呼ぶね! シャーオー……んっ」
私は、ドアに向かって叫び始めたが、その途中で叫ぶのをやめた。
正確に言うと、叫べなくなった。
なぜなら、シャオランさんが目の前にいきなり現れて、
人差し指で私の唇を抑えたから。
「大声で叫ばなくても、聞こえますよ」
笑顔でシャオランさんはそう言って、私の唇から人差し指を離した。
なんでいつもいきなり現われるんだろう……?
魔法じゃないってこの前シャオランさんは言ってたし……。
なんで?