+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
限界と笑顔
「水樹、サン、キュー」
レオンの声に私は我に返った。
急いでレオンの方を向くと、そこには無理して笑うレオンが居た。
「レオン様、じっとしていて下さい。」
シャオランさんは、レオンの上に手をだした。
そういえば、シャオランさんはレオンが人間の姿になったのを見ても、驚かないな。
それに、2人は知り合いみたいだし。
2人への疑問ばかりが私の頭を占領する。
「――――この者の傷を癒せ、燐霞!」
シャオランさんは呪文らしきものを唱えた。
その直後、シャオランさんの瞳がエメラルドに光ったかと思うと、
横に寝ていたレオンはスクッと起きた。
「えっ、レオン!?」
「いやー、癒しの魔法の天才は健在じゃの」
「おだてても、何もでませんよ?」
驚く私をよそに、2人は仲良く話している。