+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
――――ゴーン、ゴーン……
楽しい会話を、部屋にあった振り子時計の6時を知らせる音で、邪魔をされた。
「あ、もう6時ですね。では、私は食事の準備を」
そういって、シャオランさんは笑顔で部屋を出てった。
シャオランさんが居なくなった事で、沈黙。
「ね、レオン……」
静かな部屋に私の声がこだまする。
「なんじゃ?」
「猫の姿と人間の姿……どっちがレオンの本当の姿?」
「どっちもじゃ」
曖昧だなぁ……。
「じゃあシャオランさんとは昔、一緒に魔法の練習をしたって言ってたけど」
「それがなんじゃ?」
レオンは疲れたのか、あくびをしながら体を伸ばした。
ちゃんと人の話を聞いてるのか……?
「シャオランさんも使い魔だったの?」
「そうじゃよ。使い魔は本によって召喚され、名前をパートナーに呼ばれると……」
「呼ばれると!?」
次の言葉が楽しみで、つい興奮してしまった。
「パートナーと同じ姿、つまり水樹は人間だから、儂も人間に変身できる。」
「じゃっ、じゃあシャオランさんのパートナーは……」