+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
だけど、その夜……。
『皇家の臭いは此処からだ!』
私は、不気味な声に目を覚ました。
「ん……お兄ちゃん?」
隣に寝ている筈のお兄ちゃんの姿が無い。
聞こえるのは、隣に寝ているお母さんの寝息だけ。
――――「うわぁぁぁああ!」
台所の方から聞こえるお兄ちゃんの悲鳴。
私は急いで台所に向かった。
「お兄ちゃん!」
勢い良くドアを開けると、そこには、お兄ちゃんと……
化け物がいた。