+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
窓から入り込んだ月光が銀髪に反射して、そこに星が落ちてきたみたいにキラキラと輝く。
幻想的なその光景は、触れたら壊れてしまいそうな儚さがあった。
「目覚めたか。
……シャオラン来い」
…………〝シャオラン〟?
「はい。リュオ様」
銀髪の人(リュオさん、というのだろうか)の後ろに立っていた人が、一つ返事をして銀髪の人の隣に跪く。
その〝シャオラン〟と呼ばれた人も、この世のものとは思えないくらいに綺麗なかただった。
黒くてサラサラとした短い髪に、
ひたすら黒を重ねたような、艶やかな黒色の吸い込まれるような瞳。
幻想ではないか、と思う程綺麗な2人。
その二人を目の前に、ただ私は呆然としていた。