+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
バリッ……バリ……
まだ、微かに光っている黄色い閃光が、音をたてる。
気づくと、私は素手でレオンの攻撃を止めていた。
「「水樹……?」」
リュオさんと、レオンの驚いた声が私の名前を呼ぶ。
「感情に流されて、力を解放するな。レオン」
勝手に私の口が動いた。
レオン達は驚いていて、さっきまでの怒りは消えていた。
しかし、一番驚いているのは私だ。
あの、レオンの凄まじい攻撃を素手で……。
それに自分でいったのに、“力を解放する”なんて言葉、私は意味がわからない。
――――誰?
不意にそう思った。
【知りたいか?】
怖い低い声と、優しい高い声が重なって聞こえた。
レオン達は聞こえていないようだ。
――――え?