+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
魅花は水樹の本当の母親で……魔界の女王だった。
水樹を育て、そして捨てた女は、母親役を任された只の人間。
「水樹に薔薇のアザが浮かんだ」
俺は、リュオに話した。
「なんだと!?」
それを聞いたリュオは勢い良く、俺の胸ぐらを掴んできた。
薔薇のアザ……それは皇家の証。
当時、魔界の女王だった魅花は、人間に恋をした。
そして、その人間との間に、時雨と水樹が産まれた。
しかし、それは禁じられた恋だった。
その事が魔界に知られた魅花は、急いで水樹と時雨に魔力を全て与え、
魔力を失った魅花は、処刑された。
水樹の魔力が強いのは魅花に強い魔力を与えられたからだ。
そして薔薇のアザは、魅花が与えた魔力が覚醒した証だ。
覚醒すると、他の奴らが狙ってくる。
何故かと言うと、強い魔力をもつ者を喰えば魔力が上がるからだ。
だから、幼い頃に覚醒してしまった時雨は殺された。