+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
私は、重い瞼を開いた。
現実に戻ると同時に飛び込んできたのは、心配そうに私の顔を覗き込むレオンの顔と、
泣いていたのか、頬がビショビショに濡れているリュオさんだった。
「水樹! よかった」
レオンは、ゆっくりと私の体を支えて起こしてくれた。
「水――――」
「眠ってる間、全てを思い出したの」
私はレオンの唇に人差し指をあてて、言葉を遮った。
“思い出した”
その言葉を私が言い終えたら、リュオさんは目をそらした。
レオンも同じように。
「2人とも、ありがとう」
何も言わない2人に、私は静かにお礼を言った。
最高の笑顔とともに。