幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





じっとこちらを見つめる3人の視線に耐えられなくなって、あたしはそっと目を伏せた。






頭の中はぐちゃぐちゃだ。




どう言えば伝わるのかわからないけど、あたしは……






「耀太は今まで通りにしてればいいと思う」






「じゃあ、楓も父さん達と同じ意見ってことでいいんだな?」





確認するようにゆっくり話す父親の声に、あたしはコクリと頷いた。






耀太との関係が、担任と生徒だけになるなんて、あたしには考えられない。





たまにだけどこうして来てくれてた耀太が、もう来なくなるって考えただけで、不覚にも泣きそうになっていた。






「というわけだが、耀太はどう思う?」





あたしは、気を抜くとこぼれそうになる涙をじっと耐えながら、耀太の次の言葉を待った。






お願い、『もう来ない』なんて言わないで……



幼馴染みの耀太を、こんなことで失いたくないよ……






「………あ〜、助かった。
もう来るなって言われたら、明日からの夕メシどうしようか真剣に悩むとこだった」




………メ、メシ!?





まったく的外れな言葉を聞いて、あたしの純粋な涙が、ひょいっと引っ込んでいく。





アンタの目的はそれ?
この関係が失くなるのがイヤだとか、そういう心配はないわけ!?!






もう悔しくて。






気づけば、あたしは耀太の右頬をぎゅっとつねっていた。






「いってぇぇえ!!!」






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