幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





「……なあ、なに怒ってんだよ?」






「うるさ〜い!
テレビが聞こえないでしょっ!!」






超不機嫌なあたしは、さっきから一人ソファーに移動したあたしの顔を覗きに来ては、声をかけてくる耀太に怒鳴り散らす。






まったく、何なのよ!
こっちは本気で悩んだっつうのに……!






「ようちゃん、ほっといていいわよ。
楓は我が家の怪獣なんだから。
怒りだしたら、そこら中に火を吹くわよ?」




「ですねぇ。お〜こわ……」






ガオオオオ!!!
コイツら全員ムカつく〜!!!





胸に抱えていたクッションをぎりぎりと握りしめながら、たいして面白くもない特番を、食い入るように見つめた。






おかしな心配したのは、どうせあたしだけですよーだ!






「そうか、わかったぞ。
自分の進級祝いがしてもらえなくてすねてるんだな?」






「はあ??」






「今からコンビニ行くぞ」






「ちょっ、ちょっと!?」






ソファーに深く座り込んでいたあたしの腕を、容赦なくぐいっと引っ張る耀太。






「あたし行くなんて−−」


「なんでも好きなもん買ってやるから」





言ってない!と言おうとしたあたしの言葉を遮り、耀太はあの魅力的な笑顔でこちらを振り向いた。






その顔、ズルい……
あたしが何にも言えなくなるの知っててするんだから……





口を尖らせて渋々着いて来るあたしを見て、満足げに大きく頷くと、「ちょっと、いってきます」とダイニングに居る両親に告げて、耀太は玄関へと向かった。






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