幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?




一応約束通りコンビニまで行って、あたしは普段は買えない某高級メーカーのアイスを買って貰った。






「そんなんでご機嫌になるなら、安いもんだな……」





スキップで進むあたしの後ろから、ぼそっとそんな声がして、ムッとしながら後ろを振り向く。






「安くって結構ですぅ。所詮女ってものは甘いものに弱いんですよ〜だ!
耀太も彼女のご機嫌とりする時は、ケチケチせずに高いケーキでも買ってあげなさいよ」





そんな憎まれ口を叩きながら、あたしの頭の中には、ぼんやりといつか見た麻美さんの顔が浮かんでいた。
あの後、8人も違う女性を見たのに、あたしの中ではよっぽど印象深かったんだろう。
ある意味、トラウマかな………






「へいへい、肝に命じておくよ。
ところでさ、楓。
実は今日俺がお前んちに来たのって、寿司が目的だったんじゃねぇんだ。ちょっと聞きたいことがあってさ……」





「あたしに?」





「そう。ちょっとそこ寄ってかねぇ?」





言いながら耀太が指差したのは、ちょうど家とコンビニの中間ぐらいにある、何処にでもあるような公園で。





でもそこは、実はあたしと耀太にとっては、懐かしい思い出がいっぱい詰まった場所なんだ。






「しかたないなぁ……、んじゃ今度はラムレーズン味買ってね?」





入り口でアイスの入ったコンビニの袋を掲げみせると、耀太はやれやれって顔で頷いている。





あたし達は、10数年振りに、一緒にその公園へと足を踏み入れた。







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