幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





「うわっ、懐かし〜〜!」





中に入るなり、あたしは街灯でほんのり照らされた公園の隅の方へと駆けて行った。
そこは昔、あたしと耀太が“博士と助手ごっこ”をしていた場所だ。





「博士〜〜〜、早く早く!」




「…ぷっ……、その呼び方、懐かしいな……」






当時から化学大好き少年だった耀太は、家の中じゃ怒られるからと、あたしを助手代わりにここで実験の真似事をして遊んでたりした。


内容は何かの教材のふろくとかだったけど、あたしはそれがもの凄く楽しくて、今でも化学は1番大好きで大得意な科目だったりする。





「今度からはホントに学校で耀太に教わりながら実験するんだねぇ……。
なんか間違えて『博士』って呼んじゃいそうだよ……ぷくく……」





「まあな…、あの時の真似事が本物になるっていうのも、なんか不思議なもんだな……。
もしあの時“お医者さんごっこ”してたら、それが本物になってたりして……」





お、お医者さんごっこ!?





腕を組んで感慨深げに頷いてる耀太を見て、あたしは深〜いため息をこぼした。






「やっぱり耀太は変態教師だね……」





真面目ぶった顔して、どんだけ問題発言してんのよ!?





あたしの呟きが聞こえたのか、耀太は片眉を吊り上げてこちらへ向かって来る。




「お前、小学生のごっこ遊びがなんで変態話になるんだよ?
はっは〜ん、さては誰かと……」





ニヤリと口角を上げる耀太。
何を言いたいかは一目瞭然だ。






「ぶぁっかじゃないの!?早く聞きたいことあるなら言いなさいよ!アイス溶けちゃうでしょう?」





ホント、コイツが担任だなんて、先が思いやられるよ……






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