幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





いっそ溶ける前にと、あたしはベンチに座ってアイスを取り出した。





耀太は買った缶コーヒーを開けている。






「で?なに?聞きたいことって………」





ウエハースで挟まれたアイスは、思ったほど固くはなくて。
逆に勢いよくかじりすぎて、ガチッと歯と歯がぶつかる音が鳴る。





途端にぶっと隣で噴き出す耀太。





は、恥ずかしい……





「楓って、見ててホント飽きねぇな?そういうところ、俺めっちゃ好き……」





ドクッ…――




オレ メッチャ スキ





耀太は何気なく言った言葉なんだろうけど、オーバーワーク気味のあたしの心臓は、そんなことでも素早い反応をみせた。






バクバクバク……






静まれ、静まってよ、勝手に働かないでよぉ……!








そんな自分に気づかれたくなくて伏せた視界の端に、ひととおり笑い終えた耀太が、ベンチの背もたれにゆっくり寄りかかっていくのが見える。






「5組って、楓みたいに楽しい奴が多いよな。俺、最初があのクラスでめちゃくちゃラッキーだったよ……」







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