幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
だってさ、この時期にやっぱあの発言はマズイでしょ。
多分、保護者から批判の一つや二つは出てくるだろうとな、とは思ってた。
あたしの持論でいくと、
生徒に好かれる先生は、たいてい保護者に嫌われ、
保護者に好かれる先生は、たいてい生徒に嫌われる。
耀太はまさしく前者タイプ。
この学校、保護者の教師に対する評価がかなりシビアなんだよね。
というのも、基本的に偏差値が低いわりには某有名大学を目指してる生徒がかなり居て、そういう人達は、親の期待を一身に背負ってる場合が多くて。
“もっとレベルの高い先生・授業を”って保護者から苦情が出ることもしばしばで。
必然的に、生徒に甘いことを言う先生は、イコール、保護者の嫌われ者になるってわけ。
教師の中には、結構ビクビクしてる奴も多いと思う。
そもそも、なんでそんな志の高い人達がこの学校に入学してるかが不思議じゃない?
でもそれには2つの理由があるんだ。
入試の日程の関係で、この学校はいわゆる“滑り止め”で受験する人が大多数で、頭はいいのに本命に落ちて仕方なく、というのがひとつ。
もうひとつは、特待制度が変わってて、一般入試の試験結果の上位順に選考があって、その内容がかなり魅力的らしくて、本命じゃないのにソレに惹かれて、というもの。
おかげで、学校内での学力の幅も半端ないんだから。
まさに“天と地”
(もちろんあたしは“地”の方…)
あたし達一般生徒(より下?)からしても、結構それってビクビクもんなんだ。
一応なんとなく2年のクラス分けで学力別に分かれてはいるけど、学年全体の平均点ってのがね、どうしても上がるわけよ。そうなると、赤点ラインってのも自動的に上がって、はい、追試決定〜!みたいな。
ハァ……、考えてたら、頭痛くなってきた。
そうこうしてるうちに、急ぎ足の耀太が教室へと入ってくる足音がした。
「遅くなって悪い」
´