幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
耀太が担任になってもう2ヶ月以上経っていた。
世間はそろそろ梅雨に入ろうとしている頃。
「楓さ、コクんないの?」
ブーーッッ
「な、な…にを、突然……」
盛大に噴き出した紙パックの烏龍茶が、白いテーブルに点々と付いているのを見て、あたしは慌てて口を拭ったハンカチでそこも拭いた。
「汚〜い……」
いや、アンタが悪いんでしょう!?
テーブルを拭きつつ、その向こうで顔をしかめている瑞穂を睨む。
今あたし達が居るのは、予備校の休憩スペース。
いつも予備校の日は2人で学校から直で来るから、たいてい30分はここで暇潰しして授業を受けることにしている。
他の人達は、事務所で先生に質問したり、自習室で黙々と勉強中だったりするんだけどね。
「……しないよ」
周りに誰も居なかったことにほっとしながら、あたしはつっけんどんに呟いた。
「なんで?生徒だから?」
「それもあるし……
あたしは、耀太の妹だから」
ブーッ!
今度は瑞穂がオレンジジュースを噴き出した。
「汚いな〜」
「妹!?アンタ達、まさか…っ…!?」
どうやら瑞穂は、すっかり誤解をしてるらしい。
あたしの言い方も悪かったのかもしんないけど。
「違うよ。妹みたい、ってこと」
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