幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
その昔、耀太の彼女(?)の麻美さんに言われたんだもん。
『妹みたい』って。
あの言葉だけは忘れられない。
そのことを瑞穂に説明すると、なぜかさらに顔をしかめられた。
「あのさ…、それってまだ中学の時の話でしょう?
なに軽くトラウマになってんのよ。
い〜い?あたし達はピッチピチの17歳で、今が1番熟れ時なの。
こういう時に誘惑しなくて、いつすんのよ」
んな!?無茶苦茶な!!
確かにトラウマっぽくなってはいるけど……
「その前に、あたしは生徒で、耀太はその担任ってこと忘れないでくれる?」
新たにテーブルに付いたオレンジの雫まで拭き取りながら、あたしはギロリと瑞穂を睨みつけた。
応援してくれるのはありがたいけど、煽るのは止めて欲しい、と願いを込めて。
でも瑞穂は、まるであたしの声が聞こえなかったかのように、言葉を繋げる。
「早くコクんないと、ライバルが次々にコクってんだよ?
あの養護の若宮だって、絶対ようちゃん狙いだって!」
茶色とオレンジのシミが付いたハンカチを見ながら、ふとあたしの頭の中に、今日見た光景が蘇ってきた。
新任同士、仲良さげに中庭で会話をしていた耀太と若宮先生の姿を………
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