幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
発した言葉とは裏腹に、ざわざわとざわめく胸。
いつか見た耀太と若宮先生の姿が脳裏に浮かぶ。
そういえば、前に瑞穂に言われたな……
『同僚の女教師の方が、もっと身近で、もっと危険な感じじゃな〜い?』
ははっ、あたしがまた耀太を好きになるってことも言い当ててたし。
アナタは予知能力者ですか?って感じだよね。
そうそう落ち込んでばかりじゃいられない。
とにかく、あたしがするべき行動はひとつだと思った。
「聞いてみる、耀太に。
若宮先生とどうなってるのか。
“母親代わり”なんだから、将来の嫁になる可能性があるのかどうか、あたしにだって聞く権利ぐらいはあるでしょ?」
瑞穂にこれ以上心配かけないように明るく言ったつもりなのに、さらに瑞穂は眉尻を下げてあたしの頭を撫でた。
「あたしの前で、そんな風に無理しなくていいよ。
聞くのは賛成だけど、一人で泣くのはナシだからね?」
「うん、わかった。
どういう答えが返ってきても、ちゃんと報告の電話するから」
「よし。じゃあ、それで今回の調査料はチャラにしてあげるよ」
「うわっ、ちゃっかりしてる〜」
「当たり前でしょ?あたしは無駄働きはしない主義なの。
ちゃんとしっかり真相聞いてきてよ。
あたしの予想じゃ、若宮の片思いだと思うけどね」
ふふん、と鼻を鳴らして、瑞穂は体を翻しドアへと歩いて行く。
今回ばかりは、瑞穂に本物の予知能力があればいいのに、なんて無茶なお願いをしながら、あたしもその背中を追い掛けた。
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