幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
『その呼び出し電話だって、若宮と関係ナシだとは言いきれないでしょ?
もしかして、前カレとか……』
うぐぐ………
そう言われると、そういう気も……
『だいたい、泣いてたってのが気になるわよねぇ……』
確かにただの同僚なら、あの場で泣くなんて行為、不自然すぎる。
調子に乗りかけていた自分が、ズドーンと落ちていく音がした。
『まあでも、楓が耀太にとって特別な存在なことには変わりないんだし』
「………えっ?」
『だってそうでしょう?“楓だけには”なんて、普通の生徒には言わないよ?
いいなぁ、あたしも誰かに“お前だけ”って言われてみた〜い』
若干ニュアンスが違う気もしたけど、そこは素直に受け止めた。
「そうだよね?特別なんだよね?あたしだけだよね?」
ムフフと顔を緩ませていると、調子にのるな!とすぐに怒られたけど。
『とにかくさ、明後日だっけ?その時に、話てくれるっていうんだから、ちゃんとしっかり聞いてくんのよ。
そしてあたしに逐一報告しなさい』
瑞穂はやっぱりちゃっかり者だと思いながら、あたしもわかったと返事をして電話を切った。
恐いけど聞きたい。
そんな気持ちで行った次の日の学校と予備校は、あたしの人生の中で最もゆっくり過ぎていった時間となったのは言うまでもない。
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