幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?




1時間30分かけて着いた場所は、川べりに作られた大きな公園だった。





「ここなら、まず学校の奴に会うことはないな」



「そうだね……」





駐車場にある看板には、グラウンドや遊具芝生広場、バーベキュー広場などと一緒に、ぐるりと回りを囲むように作られた遊歩道の絵が書いてある。
そこに歩く人と一緒に犬も描かれているところを見ると、ペットの散歩も可らしい。





「ねぇ、遊歩道行こうよ?」



「いきなり?まずは芝生でひと休み…」



「ダメ!日頃から体がなまってるでしょ?
こういう時ぐらい、運動しなきゃ」





あたしは早速すでにそわそわしてるカンタにリードを繋いで、意気揚揚と歩いて行く。
耀太はそのあとを渋々といった感じで着いてきた。





もともと運動神経のよかった耀太は、中学の時にはバスケで全国大会まで行った過去がある。
それなのに、ここのところデスクワークばかり追われて、完全に運動不足って感じ。
カンタは食いしん坊だけど、その点大事にされてるのか、いい具合に固太りだ。





「今日は、カンタの運動って思ってたけど、予定変更、耀太の運動不足解消にする」



「えぇ〜〜〜!?俺〜〜〜〜??
いいよ、俺は。
もうオッサンだし…」



「何言ってんの!知ってる?ウチの体育祭って、人気のある先生はリレーに出されるんだよ。
間違いなく今年は耀太が出されるって。
国語の中田先生なんて、そのために日頃からトレーニング積んでるぐらいなんだから……」



「ああ、なんか聞いた気がするぞ。
俺が毎日ジャージ着てたら、『先生もトレーニングされてるんですか?』って問い詰められたような。
ははっ、あの人らしいや……」







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