幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
カンタの仲裁(?)のおかげで、ひとまずヒートダウンしたあたし達だけど。
このアンポンタン!
ここまでいい加減な奴だとは思わなかった。
あたしの純粋な気持ち、返しやがれ〜!
信じてる人に裏切られた時ほど、人は憎悪に燃えるらしい。
水面下では、あたしはどんどん不信感を募らせていた。
そんなどんよりした空気の中、先に沈黙を破ったのは、さっきまでの威勢が嘘のように弱々しい耀太の声だった。
「………あのさぁ、これだけは信じてくれよ。
俺は遊んできた記憶もないし、これからも遊ぶ気はないんだって」
「どうだか……」
「なんなら周りの奴に聞いてくれたっていい。
楓にそんな風に見られてたなんて、なにげに今、めちゃくちゃショックなんだけど……」
「あたし……見たもん。
耀太が毎回違う女の人と歩いてるの……」
「………ハァ…
こうなったらぶっちゃけるけど、俺、今まで2人としか付き合ったことないから。しかもフラれたのはコッチ。
ってか、なんでこんなこと話してんだ、俺は……」
マジ情けねぇと呟きながら、耀太はあたしの手首を解放した手で、自分の頭をがしがし掻いて俯いた。
心なしか、見えてる顔が赤いような……?
「9人以上、じゃないの…?」
「なんだよ、その9って数は………
間違いなく2人だ、アホ。
こんなこと、何度も言わせんな」
俯いたまま赤い顔で睨み付けてくる耀太が、なんだか急に可愛く見えてきて、あたしの凍てついていた心がどんどん溶けていく感じがした。
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