幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
「すごい話が飛躍したんですけど……!?」
元はといえば、倉田さんが結婚を渋ってたからこんなことになったわけで……
この急激な心境の変化は、一体なんなわけ?
「若宮先生がウチに来た時、バイト中だった祥司にメールしたらしいんだ。
“こんなに周りに迷惑かけるようなあたしとの付き合いは、アナタのためにも終わりにしませんか……?”ってさ。
んで、メールに気づいたヤツは、バイトそっちのけで慌てて俺に事情を聞きにきた。
ちょうど楓の家に行ってた時の電話、あれ、アイツからだったんだ」
「いきなり別れ話?
またまた若宮先生、ぶっ飛んだ発想してるよね……」
なんていうか、ある意味尊敬しちゃう。
そしてなにより、これでやっと安心できた気がする。
若宮先生は、それほどまでに純粋に倉田さんを愛してるんだって。
愛してるからこそ、彼氏以外の男と噂になってしまった自分が許せなかったんじゃないかって。
「だろ?俺に詳しく事情を聞いた祥司は、そんなに彼女を悩ませてたのかって反省してさ。
今は形だけだけど、プロポーズして、彼女を安心させてやりたいって言ってた」
そう言った耀太の顔は、ホントに穏やかな表情をしていた。
親友とその彼女を幸せを、心の底から祝福しているような……
こんな顔されちゃ、こっちはもう謝るしかないよね。
「そっか……雨降って地固まる、なんだね……。
今まで耀太のこと、散々誤解しちゃってごめん。
耀太はきっと、いい教師になれると思う。
あたしが保障するよ!」
遊び人でもなく、同僚を誘惑するような男でもなく、他人の幸せを心から祝福できる、優しい人。
そんな人が、反面教師みたいになるわけない。
絶対、いい教師になれるよ、耀太なら。
自信を持って力説したあたしに、耀太は顔を赤くしながらも、嬉しそうに笑った。
心なしか、膝の上にのってるカンタも、ゴムパッキンを引きつりあげて笑ってるような………?
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