幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





最近の耀太は、あたしが先生と呼ぶことに抵抗がなくなったようで(もちろん最初はギョとしてたけど)、家でも先生らしい態度?を取るようになっていた。




この前のドライブの時まで、まるで家族のように気安くスキンシップしてきたくせに、妙に距離を取っているというか、よそよそしい、とういか。




たまに勉強をみてもらってても、前みたいに顔を寄せてきたり、あの“匂い攻撃”を炸裂することもなくなっていた。




あんなに“可愛い妹”扱いされるのがイヤだったくせに、こうなると、それさえもなくなってしまったことが、はっきり言ってすごく寂しかったりする。






なんだかなぁ………
このままいくとあたしと耀太って、幼馴染みから一転、元生徒とその恩師みたいになりそうだよなぁ……




なんて想像して、ズキンと胸が痛んだりして。





そうこうしているうちに、向こうから“生ぬるい”ココアが入ってるであろう2つのマグと、お皿に盛ったクッキーをのせたトレイを、若干おぼつかない手つきで運んできてる先生の姿が目に入った。





「すみません……」




そう言ってちょっとあたしが手助けしながら、そのトレイを無事に机にのせた先生は、ハァとまるで大仕事を終えたかのような、安堵のため息をはきだしている。





「あたし、不器用なの………ごめんね?」






眉を八の字に下げて小首を傾げて謝るその姿は、もうなんていうか、女のあたしから見ても、かなり可愛い。






うん、やっぱり先生は憎めない人だよ。







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