幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





そんな幸せムードいっぱいの先生を見ていたら、ここまできたら、2人の馴れ初めも聞いちゃおうかな、みたいな好奇心が自分の中にムクムクと湧いてきた。





「先生、もしよかったら、倉田さんとの馴れ初め、聞かせてもらえませんか?」




「えっ!?な、馴れ初め!?
そんなたいしたもんじゃないのよ。高校生の楓さんが満足できるかどうか……」




そう言って恥ずかしそうに戸惑う先生に、さらにとどめの一発を放つ。




「耀……石橋先生からお二人のラブラブっぷりは、しっかりうかがってます。
できれば今度は、本人から聞きたいなぁなんて。ダメ…ですか?
それに、満足するかどうかを決めるのは、先生じゃなくあたしですよ?」



「そ、そうよね…
えぇっとぉ、じゃあ、ちょっとだけ……」



「はい、お願いします」




ぺこりと頭を下げてにんまり笑うあたしを見て、先生も諦めたようにクスッと笑った。





「あたしと彼……、こうなったら、いつもの呼び名で呼ばせてもらうわね?
あたしと祥ちゃんは……」





ひとたび話し始めた先生は、突然教師から恋する女性の顔に豹変してて、驚いた。
でもそれ以上に驚いたのは……





「アナタ達と同じ、幼馴染みなの……」



「………えっ…?」



「だけど、家が近いアナタ達とはまた違う意味での幼馴染みよ。
親同士がね、学生時代からの親友で、お互いの妊娠報告をし合った時に、『もしそれぞれ男の子と女の子が生まれたら、絶対結婚させよう』みたいな約束をしてたらしいの。
だから、家は離れているけど、小さい時からお互いの家を親に連れられてよく行来きしてたのよ」



「そう、なんですか……」





ある意味、先生と倉田さんは、親に仕組まれた相手だったんだ……




先生の話を聞きながら、子供にしてみたら迷惑極まりない約束だと思ったけど、その反面、羨ましいと思う自分も居た。






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