幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?




昔を懐かしむように話しだした先生の話は、小学生の頃まで遡っていた……-―――





親の魂胆とは知らず、会う度に仲良くなっていった祥司少年と千夏(先生の名前)少女は、すくすくと成長し、小学4年生になっていた。




その頃には、頭が良くて、カッコ良くて、スポーツも自分より上手い(他の人より上手いかは不明)祥司少年に、千夏少女は恋心を抱くようになっていた。




でも、お互いの家まで1時間近くかかる距離にある2人は、当然親の都合でしか会えない。
通っている小学校も違えば、進む中学校も違う。





そこで千夏少女は考えた。
『そうだ!高校は同じ所に行こう!』




でも、その夢はあっけなく散った。
祥司少年もとい、祥司は、いかんせん頭が良すぎた。
彼は、千夏には全く手の届かないような県内でもトップクラスの進学校へと入学してしまったのだ。




しかもその頃には、お互い親についてどこかへ行くような歳でもなくなっており、気づけば、1年近く会っていない状態で。




唯一、お互いの誕生日がある8月に開かれる、半ば強制参加の“一括誕生日パーティー”だけが、彼女の心の拠り所となっていた。




しかし神様は、ここでも恋する千夏に意地悪をした。




お互い17歳を祝う場にて−−−




祥司がトイレに立った隙に、突然にんまり微笑む倉田母。




『ついにこの前、祥司が彼女を連れてる現場目撃しちゃってねぇ……』




よりにもよって自分達で勝手に婚約者に仕立て上げた彼女の前で、そんな話を暴露したのだ。




当然、例の約束を破られた形になった若宮母は、激怒した。






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