幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





「それからかしら、さらに自分の中に不安が生まれてきたのは。
祥ちゃんが夢を追いかけ続けてる姿を見て、素直に応援できなくなっちゃったの。
進路の相談された時は、アナタの好きにしていいわよ?なんて、理解ある彼女を演じたくせにね。
ホント、やんなっちゃうわ……」



「それって、相手に合わせようとする自分と、自我を通したいという自分が居たってことですか?」



「そうなの。
それにしても楓さんって、人の気持ちを読み取る才能に溢れてるって、本当ね。
石橋さんが言ってたわ、楓と話してると、自分の気持ちが全部バレそうで怖いって」



「耀太、じゃないや、石橋先生がそんなことを……?」




驚いた。耀太ってば、なんてこと言ってんのよ!
あたしは超能力者じゃないっつうの!




「クスッ、ここでは、いつもの呼び方でいいのよ。
あたし達は今、ガールズトーク?っていうのかしら、それをしてるんだから」



「はあ……、じゃあ失礼して……
あの、耀太が言ったことは全部気にしないで下さいね。
アイツ話し下手だから、あたしが上手く要点を指摘してあげてるだけです」



「クスクス…、わかったわ。
そう言えば、楓さんが祥ちゃんを見て逃げ出した理由も聞いたわ。
歯医者さんに、似てるんですって?」





ぎゃ〜〜〜〜〜!!!
耀太ってば、また余計なことを〜〜〜!
みてなさいよ!今度お弁当に、“必殺!辛子たっぷり玉子焼”詰め込んでやる〜〜〜!




あたしはギリギリ歯ぎしりをしながらも、極上の愛想笑いを浮かべる。





「あははは……、なんかすみません……
今さらですけど、倉田さんにも謝っといてもらえますか?」



「わかったわ……
そうだ!よかったら今度、4人で食事に行かないかしら?
石橋さんにも、楓さんにも、色々迷惑かけちゃったし、もちろんあたし達が招待する側で」






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