幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?






「もうひとつ、皆に言わなきゃいけない事があるの……」






そう言って俯いたにっし〜の手が、体が、少しだけ震えてる。






騒いでいた皆も、つられて口をつぐんだ。






「ごめんなさい。皆が卒業する姿を見送ることが出来ないまま、あたしはこの学校から去ります。ホントは、一緒に卒業したかった。来年、羽ばたいていくアナタ達と、一緒に学校とお別れしたかった…」






こぼれ落ちた涙が、教卓にぽとりと落ちた。






「辞めるってこと?なんで急に……」






誰かの悲痛に満ちた声が聞こえた。







既婚の女性教師なら、この学校にだってかなり居る。






にっし〜は人気もあるし、授業だってわかりやすい。






辞めて欲しくなんてない。






結婚したって、にっし〜はにっし〜なのに!






その時、あたしの後ろから声がした。






さっきまで自分がどんよりしてた瑞穂の声だ。







「にっし〜……もしかして、赤ちゃん出来た?」







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