幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
せっかくカラオケでウサ晴らしができたのに、またもや2人でどんよりムードを漂わせてるあたし達。
ああ、受験生って、色々大変なんだね………
ものすごく他人ごとみたいな言い方だけど、数か月前のあたし達には、ホントに他人ごとだったし。
たった数か月で、こうも環境が変わってしまうのか、なんて考えてみたりして。
「受験とかさ、大学とか、あたし達にとって一体なんなんだろうね……?」
この場でいきなり訳のわからないことを口走ってるあたしこそ、一体なんなんだって話なんだけど。
「大人になるための準備……?かなぁ……?」
優しい親友は、そんなあたしにさえちゃんとひと手間考えて、答えてくれる。
「準備か……。じゃあ、就職希望の子とか、準備なしで大人の仲間入りしちゃうんだ………」
もし自分が来年就職したら?
ブルッ---
そんな自己責任の世界、考えただけで身震いが出る。
だけどね、耀太が言ってたけど、大学も、短大も、専門学校も、結局は自己責任だって。
先生がやいやい怒ってくれるのは、高校までなんだって。
逆に就職してからの方が、違う意味でやいやい言ってくれる人(副校長?)ができるんだって。
そう考えると、あたし達だって来年には、自分の意思で学校に行き、授業を受けて、テストを受けて、その合間にバイトして。
なんていうか、サバイバル生活だ。
弱者はそのままジャングルに放っておかれる、みたいな。
もしかしたら、恋する余裕もないくらい、ヘトヘトヨレヨレになってる可能性だって……
「ねぇ、瑞穂、恋に臆病になってたら、今から先のサバイサル生活にもついていけなくなるかもよ?
しかも瑞穂は芸能界希望でしょう?
その先にはきっと、もっと厳しい世界が待ってるんだよ。
だからさ、お互い想いをぶつけて、2人でひと回り大きくなろうよ」
これまた支離滅裂なことを言うあたしをキョトンと見ていた瑞穂だけど、時間が経つにつれて、だんだんその顔に元気が戻ってきたように見えた。
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