幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
−−−-……頭上いっぱいに広がる秋空の下、いよいよ残す競技は団対抗リレーのみとなった。
さっきまで競技場で繰り広げられていた応援団演舞の余韻が残る中、リレー選手を召集するアナウンスが入る。
『選ばれている選手の皆さんは−−−』
うぎゃ〜〜〜!!
次じゃん、次っ!!
あたしの心臓、久しぶりに民族音楽奏でてます、みたいな。
スタンドから意気揚々と駆け出して行く代表選手達への激励の声が飛ぶ中、あたしだけはドキドキバクバクしながら教員用テントに釘付けで。
よくよく見ると、3人の教師が、各々の団カラーのハチマキを頭に巻いているところだった。
「見てよ、あの中田の気合いの入れよう。
お前はどんだけアキレス腱伸ばす気なんだっつうの!」
あたしの視線に気づいた瑞穂が、赤いハチマキをした中田先生の熱心なストレッチを見て、ゲラゲラ笑ってる。
そう、こちらも予想通りというか、例年通り?選ばれた中田先生は、しきりに走り込みをしたり、ストレッチをしたりで忙しそう。
その隣に居る白と緑のハチマキを巻いた2人の教師は、どちらも体育の先生で、軽い談笑を交えながら屈伸をしている様子。
遠くから見ても、かなり余裕そうなのがわかる。
で、青のハチマキを巻いてるはずの耀太はというと……
あっ、あんなとこに居たっ!
退場門の所で、さっき終わったばかりの白の応援団の片付けの手伝いをしている耀太を見つけた。
呑気に使用済み紙テープを腕に巻き付けているその様子に、一抹の不安が頭を過ぎる。
ちょっと、ちょっと!
ハチマキは?
ストレッチは?
走り込みは?
どんどん広がる不安に、あたしの方が押し潰されそうになってしまう。
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