幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





最悪……最悪……





やっと揃ったリレーメンバーが、ゾロゾロと入場している中、あたしはもう顔を上げることもできなくて。





ずっと俯いて、ただひたすら無事に競技が終わることだけを祈っていた。





そんな中なぜか脳裏に浮かぶのは、小学校の運動会の保護者対抗リレーで笑えるくらいコケていった、体力自慢の親達の姿。





その姿が、嫌が応でも耀太と重なってしまう。
アンカーでコケちゃった〜、みたいな洒落にならない醜態を晒す耀太と。



せめて…せめて、アンカーじゃなければ……




そんな淡い期待を胸に、恐る恐るといった感じで視線を上げてみれば、残念なことに教師4人全員がアンカーの印であるタスキを肩からかけている姿が視界に入ってきた。




……うぐ…!やっぱりか…




順番は、それぞれのチームによって違うのだけれど。




アンカーだけは、悲しいかな、各団とも先生で揃っている。





こういう時は、団長がアンカーを務めた方が盛り上がるだろうに……
なんて普通は思うよね?





だけど、応援団演舞を終えたばかりの彼らは、全員が、揃いもそろって走りにくそうな学ラン姿ばかりで。




イマイチ盛り上がりに欠けそうな感じがする。






その点教師は、全員が動きやすそうなジャージ姿ばかり。





しかも、ほんの10日程ジョギングしただけの耀太を除いては、皆“やってくれそう”的な雰囲気をバンバン醸し出していて。





接戦ともなれば、面白いこと間違いなしって感じだ。





そんな頼りがいある姿が、やけに眩しく感じるのは、あたしだけ………?





堪らず逸らした視線の先に、今度は退場門近くに掲げられたスコアボードが飛び込んできた。



ちょうど応援団演舞の点数が加算されたそれは、見事なまでに、4団全てが50点程の点差しかない団子状態だった。





つまり、このリレーによって、全ての勝敗の行方が決まるわけで……






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